老人ホームへ初出勤

私は甘く見ていた

老人たちがこんなにもスゴイ方々だったとは

それもそのはず

戦時中は、爆弾や火の粉、鉄砲の弾をかいくぐり

戦後はゼロからやり直し

食うものも食わず、嫌なものも嫌とは言えず

必死でわが子を育て上げ

沖縄の礎を築きそして 今!

無となったまさに強者達！！

今日という日は人生でもっとも刺激的な日になろうとは！！


私は最強オバーに言われるまま

地図をたどりホームへ向かった

自転車で出勤する中

朝の道は初夏を感じさせる心地よい風と木漏れ日

足取りの重いはずの私の初出勤を後押ししてくれているようであった！

爽やかに海添いを抜け、狭い路地裏を走り

地獄のような坂を上りきったところにホームはあった

ついた時にはもう疲れきっていた

老人ホームの外壁一面草や植物のツタなどにおおわれ

良く見るとサンサンと太陽を浴びた食べごろの太くて立派なゴーヤやヘチマ

なとがいたるところにぶら下がっている

建物は沖縄の瓦葺屋根で小さな老人ホームである

木製の引き戸の玄関を開けると

腹ばいになりもがいているオジーが！！

とっさに駆け寄り

大丈夫ですか！！

声をかけようとし近くによると

奥にいた先輩の職員さんが遠くから

　あー起こさないで大丈夫だよ～

そういいながら歩み寄ってきた

そして

　大城さーんホフク前進の練習はもう終わろうねー

そういい立たせた瞬間

シャキーンと言わんばかりの敬礼し

小刻みに歩きチョコチョコ駆け足で奥へ行った

この方が兵隊オジーである

その時後ろに何かいる気配を感じ

はっと！ウルトラマンのジョワッチの姿勢で後ろを向いた

　お控えなさってわたくし～・・・・

中腰でいきなり寅さんのように仁義を切られた

元ヤクザオジーである

それを遠くからにらみを利かせているオジーが

元警察（デカ）オジー

出勤で疲れきった私をさらに疲れさせた

仕事が始まり先輩の喜屋武（キャン）さんから

色々教わりあわただしく時間が過ぎて行き

気がつくと強者達の帰った後の後始末をしていた

トイレの掃除

食べこぼし

落書きなどもある

綺麗に清掃しやっと終わりだ～と思いきや

具志堅さーん先輩の喜屋武さんに呼ばれた

ごめんねもう一箇所清掃する所がある

そういい喜屋武さんは机の裏を指差した

机の裏を見てみると



ゲッ！！！数えきれない数のサロンパスがくっけられている！！！


小学校の頃ガムなどを机の裏にくっけたことはあるが・・







者達の夢のあとの処理は涙の残業に変わわった

シクシク・・・・・






今晩のおかずは帰りに外壁からもぎ取ったゴーヤチャンプールーでした！！